40前後、まだ美人?―若くなくても、いいじゃない (文春文庫)
- 作者: 岸本葉子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/04
- メディア: 文庫
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この文庫本の解説は阿川佐和子が書いているが、「がんから始まる」を
先に読んでから、この「40前後、まだ美人?」を読んでしまった、と
あり、自分と同じだ、と妙に親近感を持った。
その解説にある通り、著者ががんになる前に書かれたエッセイを、読者が
その後の運命を知りつつ読むのは、なんだか切ないことだった。
(いや、現在も元気で活躍されているから、こう思えるのである)
↓
私が好きなのは“艶姿のできるまで”というやつで、伝線したストッキング
を、駅ビルのトイレで履き替える話が冒頭にある。
コミカルなのだが、妙にエロい。
あと“脱ぎっぷりのよさ”という、学生時代に行った銭湯の話もよかった。
ていうか、子供のころに銭湯に行ったことがない、というのに驚いた。
よほどのお嬢様だったのか?
↓
なんだかオッサンのイヤらしい視線で選んでいるから、そんな話ばかりの
ように思われるかもしれないが、ほとんどは一人暮らしの女性の日常を
軽妙に綴ったエッセイ集で、インテリアやファッション、料理などの話題
が満載である。
「がんから始まる」を挟んで、50代もこのようなエッセイが書かれる
ことを望む。ていうか、もう出ているのか。
それを読むのを楽しみにしよう。