Boaz2013-02-17

BS朝日で、池波正太郎が愛した食べ物屋を紹介していく番組があった。
美食について書き残している作家はたくさんいると思うが、その店を
探して食べてみて、やはりおいしかったと思う人はどのくらいいるの
だろう。


半分ぐらいは作家の名前で食べているようなもので、本当は驚くほど
旨くはないのに、頭のなかで補正している場合が多いような気がする。



アニメの舞台になった街や建物を、そのアニメを見たオタクたちが
訪れることを「聖地巡礼」という。


作品がヒットすると、観光客が増えてお金を落としてもらえるので、
最近はアニメの製作に協力的なところも増えてきたという。


私は聖地巡礼をしたことはないが、これなんかも作家のグルメエッセ
イを読んで食べに行くのと同じようなものだろう。
行ってみると意外とショボかったりする街を、脳内で補正している
のである。


ただ最近はタブレット端末でアニメの場面を出しておいて、現地の
同じ場所と重ねあわせてみる、ということをする人もいる。
その行動力には敬意を表する。



もし文豪などにゆかりのある街があったら、観光協会などが端末に
エッセイなどの情報をダウンロードできるサービスをしたらいいと
思うが、もうやっているところがあるに違いない。


松山は夏目漱石正岡子規ゆかりの地だが、漱石はそんなに美食家
ではなかったし、子規も「仰臥漫録」を著したのは東京の根岸なので、
わざわざ食べに行くような店はないのだった。残念。