
- 作者: 玉村豊男
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1988/09
- メディア: 文庫
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たぶん絶版。
古本屋で手に入れてなんとなく読んでしまった。
この本に登場している、馬刺しや鮒ずしやかつおのたたきやきりたんぽや
ちゃんぽんは、今でも名物料理として存在しているだろう。
しかし、富士宮やきそばなどのいわゆるB級グルメはひとつも出ていない。
ということは、かつての名物料理は観光客を集める力が弱まり、それに
代わるものとしてB級グルメが登場してきた、と考えられる。
おそらくバブル期を経て、地方の経済が衰退していくのと同時に進行し
たのだろう。
文庫版のあとがきに、取材旅行についてきた彼女が、毎晩ひたすらきり
たんぽを食べるのでどんどん元気がなくなっていった、という話が面白
かった。
食べ物を紹介する人は、好き嫌いがなく健啖家であると同時に、同じも
のを毎日食べても平気でないとつとまらないのだ。私には無理だ。