日本人のディズニー好き

香港のディズニーランドの入場者が伸び悩んでいるそうだ。
そういや、ユーロディズニーランドも、一時期経営危機になって、アラブ系の資本で持ち直した
のではなかっただろうか。


そうすると、本国を除いて経営が成功しているのは日本だけになる。
これは日本が米国の文化と親和性が高いから、という理由もあるが、カツ丼・カレーライス・ラ
ーメンなど、外国の食べ物を日本独自のものに変容する、日本独特の文化的柔軟性も理由に
なるのではないだろうか。


かといって、日本のアトラクションと本国のアトラクションはほぼ同じだろうし、ライセンスの
関係もあって大幅にアレンジを加えているわけでもない。
恐らく、日本人が訪れても全く違和感のないように、細かい工夫がたくさんあるのだろうが、そ
ういうノウハウは香港やパリのディズニーランドには伝えられなかったのかもしれない。


私は20年前に行ったきりで、そのときも心から楽しめたわけではないのだが、リピーターがたく
さんいるのだから、多くの日本人はディズニーの文化を完全に受け入れているのだろう。
そこのところが、実は不思議なのである。


というのも、私の年代だと、子供のころにディズニーのアニメはそれほど目にする機会もなかっ
たし、キャラクターに対する憧れもなかった。
いや、私以外の人はミッキーマウスやドナルドダックが大好きで、キャラクター商品を愛用して
いたかもしれないが、夕方やっている米国のアニメといえば断然「トムとジェリー」の方が記憶
にある。


戦前に製作された「白雪姫」や「眠れる森の美女」は、すでに古典的なものだったし、新作映画
でディズニーが復活するのは89年に作られた「リトル・マーメイド」からだ。
だから、20年前に子供だった人なら、その後に続く「美女と野獣」や「アラジン」や「ライオン
キング」ですっかりディズニーファンになるのは分かるのだが、それ以前の空白の期間に幼少期
を過ごした人でディズニーに夢中になれるのがよく分からないのである。


東京ディズニーランドが開園したのが83年の4月だから、折りしもバブル経済に向かって日本が
ひた走る時期と重なっている。国民が熱に浮かされたように消費を楽しむようになるのと、東京
ディズニーランドが軌道に乗るのはパラレルな関係にあるのだろう。
(香港やパリのディズニーランドは、景気とリンクしていたのだろうか?)


一方、ユニバーサルスタジオジャパンは01年3月オープンである。
日本は失われた10年の真っ只中であった。
これがUSJのテイクオフを妨げた原因になったのかもしれない。
もしくは、核となるキャラクターが不在だったのが要因かも。


ところで、最近ゲーセンなどで「リロ&スティッチ」のキャラクターが置かれており、女の子に
人気である。これが本当に不思議で、あんたら映画を見たのか? と訊ねたくなる。


スティッチは凶暴なエイリアンだが、リロの優しさに触れておとなしくなる、という設定だった
と思うが、これって明らかに日本のことではないか。
舞台がハワイなのも、真珠湾攻撃の因縁を感じずにはいられないし、水が弱点だというのも島国
の日本を想起させる。


まあ、こんなひねくれた見かたをするのは私だけで、何の根拠もないし、製作側もそんな意図を
込めていないと思うけど。
でも、造形的にもそんなに可愛いとは思えないのだがなぁ。
キモカワイイってやつだろうか? 


ディズニーアニメは、不振だった「ポカホンタス」と入れ替わるように、ピクサーが作ったフル
CGアニメに収益の重心を移していく。
ただ「カーズ」以降は、ちょいと首をかしげてしまう作品になっており、今後ディズニー印のア
ニメがどうなるのかは分からない。
相変わらずキャラクタービジネスで儲けるんだろうけど。


本文と写真はまったく関係ありません

( ^▽^)<ディズニーランド大好き!