- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2003/06/18
- メディア: DVD
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なぜ今まで放置してきたかというと、序盤に登場する竹下景子の息子の
キャラクターが変だったからだ。
彼は携帯電話のメールに夢中になっており、倉本聰は悪意を込めて描い
ていた。どうも携帯電話などのツールに誤解があるようで、とうとう時代に
ついていけなくなったのだ、と思った。
だが、ハードディスクが満杯になってしまい、このドラマをDVDに焼いて
消さないといけないので、気合を入れて見た。
序盤を乗り越えると、やはり面白かった。
過去の「北の国から」の自己模倣もあったが、優れたドラマだった。
ただ、竹下景子の息子は、地井武男に殴られて携帯を川に捨てられてから
何のフォローもなくドラマから消えている。あれはひどい。
Wikipedia によると、あの役を演じた人は芸能界を辞めて大阪で税理士を
しているという。
ともかく、これで「北の国から」をほぼフォローできた。20年かけて製作
されたドラマの完結には、しみじみするものがある。
この「2002遺言」は、なんといっても内田有紀の演技が素晴らしかった。
実際に吉岡秀隆と結婚するのだから、それを知っていて見ると演技を超えた
何かを感じる。あまり作品に恵まれなかった彼女のピークではなかろうか。
一方、宮沢りえは序盤で退場している。
倉本聰の世界では、他の男性に嫁ぐことで主人公との関係は精算される
ようだ。なんか都合がよくないか。
↓
ドラマを見ていると、亡くなった俳優が演技をしていて、あれ、この人
いつ死んだんだっけ、と確かめてしまう。
地井武男は最近だったから憶えているが、杉浦直樹はいつだったか。
「2002遺言」にはもう登場していないが、大滝秀治も最近だった。
そう考えると、田中邦衛は長生きである。
長期間、同じシリーズの映画やドラマが続くと、そのキャラクターが
だんだん丸くなるというか飄々としてくるような気がする。
田中邦衛も、最初の方はまだ生臭いというかキレると怖い感じで、地元
のバーの女性と関係を持とうとしていたりしていたが、後半はキリスト
教の聖者のように、何もかもを赦す存在になっている。
これは「男はつらいよ」シリーズの渥美清と同じで、寅さんも最初は
アクの強いテキ屋だったのに、最後の方は枯れた遊行者のようだった。
全シリーズを見たわけではないが、そう感じる。
マンガでいうと「美味しんぼ」の海原雄山がそうだ。
これはどういう現象なんだろうか?
↓
同じような系統の顔だと思う。