倉本聰のドラマ「やすらぎの刻」を見ているのだが、平成編に
入るとどうもいけない。
テレビゲームとか携帯に偏見があるので、若者がそれを持っていると
ダメだと決めつけている。
私は橋爪功が引きこもりの孫の部屋にあったゲームソフトやパソコンを
勝手に捨てる場面を見て唖然とした。あれは犯罪である。
その後、引きこもりの孫は橋爪功のいる山梨を訪れて農業青年になる
のだが、このような素朴な農本主義みたいなものは老人の郷愁でしか
ないだろう。
ゲームがいけないのなら、タバコだっていけないはずだ。
老人たちが吸っているタバコを全部勝手に捨てて、健康になりましょう、
などと言ったら彼らは激怒すると思う。
だいたい、「北の国から」ではあれほど携帯を憎んでいたのに、「やすらぎの
郷」では石坂浩二が若い娘とメールのやりとりをして喜んでいた。
たぶん倉本聰が携帯の使い方を知ったからだろう。
いっそ、加山雄三にテレビゲームの面白さを叩き込んでもらったら
どうだろうか。