Boaz2012-11-06

安く仕入れて高く売るのが商売の基本である。
価格に含まれている儲けの多寡は、売手と買手の合意で落ち着く。
市場原理というやつだ。


儲けはお客の満足度と相殺される。
どんなにボロ儲けをしても、相手が納得していればよい、とされる。


たいていは競争相手が現れて、同じ満足度で安いものを出してくる
から、面白いほど儲かるわけではないが、市場を独占できれば大儲け
も可能だ。


多くの場合、売手と買手には情報の落差があって、買い手の方は何と
かそれを埋めようとする。
企業と企業の取引なら、お互いがプロだから、ギリギリの線で成立
することが多いだろう。


逆に、企業と素人の取引は、ボッタクリが多いのではないか。
かつては商売上の倫理として、素人を騙していたら信用されなくなる、
という戒めがあったはずだが、いまはそうでもないようだ。
「知らないお前が悪いんだよ、バーカ」
と嘯く奴らもいるのではないだろうか。


おそらく、商売には短期間に大儲けをしようとするタイプと、長期間
コツコツと続けようとするタイプがあるのだろう。
前者は広い国で移動しながらやるような狩猟型で、後者は狭い国で人
の移動がほとんどない農耕型と言えよう。


現在、グローバル化と言われている商売は、ほとんど狩猟型である。
資源が無限にあれば成り立つかもしれないが、いずれは破綻するだろう。



米国の大統領選挙で、莫大なお金が中傷CMの広告費に消えていく。
広告会社は笑いが止まらないだろう。


私は、そういうとき後ろめたさを感じるのだが、商売で成功する人は
そのような感情を切り捨てているか、最初からないのだと思う。