Boaz2012-08-30

経済学の新自由主義では、労働の流動性を重視している。
停滞した産業から発展する産業に、スムーズに労働力が移転すれば、
生産性は上がって雇用も守られる。


私が疑問に思うのは、経済学では労働者はみんな同じ能力、という
前提で話を進めているのだろうか、ということだ。
上記の新自由主義では、そうでないとうまくいかないだろう、と素人
ながら考える。


一般的には、社会では労働者の能力は大きく違っており、だいたいは
能力に応じて報酬を受け取っている。
その中で華麗に転職できる人は、ほんの一握りだろう。


それに、オッサンになってから新しい能力を身につけるのは現実と
して厳しいし、身につけたとしても再就職は難しい。


だからこそ新自由主義では教育に口を出す。
より流動性の高い労働者、つまり使い勝手が良く低賃金で使い捨て
できる人を大量に生産するためである。
英語ができなきゃダメよ的な。


そうではなく、様々な能力の人でも働けるような制度を作る方が
みんなハッピーになれるのではないか、と思う。
短期的な生産性では劣るかもしれないが、社会は安定するはずだ。


新自由主義は、米国のような莫大な自然を蚕食した大国ならではの
発想でしかない。
(もともとは英国で生まれた思想だが、英国も木材のために国中の森
林を切り倒した歴史がある)
要するに、俺が生きてる間に大儲けできたら後は知らんよ、という
話である。


経済学から抜け落ちているのは、倫理である。