Boaz2012-03-24

朝日新聞原発事故で何があったのかを細かく取材している
「プロメテウスの罠」という連載がある。
この中で、福島第一原発メルトダウンを起こしたときに、
東京電力の当時の社長が菅首相に「撤退したい」と申し出て
一喝された、という内容が載っていた。


この前、ふと東電のホームページを見ると、「東京電力からの
お知らせ」というところに“東京電力が全面撤退を申し出た
ことはありません”という文章が記載されており、朝日新聞
抗議していた。


私はこの文章に、組織としての東京電力の不屈の意思を感じた。
原発事故を起こして世間から叩かれようとも、我々は東京電力
という会社を守りぬくのだ、とガードを上げて防御しているよ
うに見えた。


そして、世間が原発事故を忘れたころには、再び大儲けをして
やるぞ、という野心もあるように思えた。
これはどういうことなのだろう? 


政府から莫大な資金を注入しなければ賠償責任も負えず、株価
が暴落して社債も以前のように引き受けてもらえないほど弱っ
た会社だというのに、殿様商売を続ける意思だけは衰えていない。
幕末の徳川家のようである。殿様だけに。


おそらく、世間の原発事故のイメージと、東電の抱いている
原発事故のイメージはかなり違うのだろう。
東電側は、ちょっとした事故、という認識だと思われる。


なので、ホームページにある“当社福島第一原子力発電所
事故発生から1年にあたって”という文章の最後に以下のよ
うなひとこと付け加えたら、東京電力の本当の気持ちという
のが伝わるのではなかろうか。

 東北地方太平洋沖地震の発生から1年にあたり、改めて、震災によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。


 当社福島第一原子力発電所の事故により、発電所周辺地域の皆さまをはじめ、福島県の皆さま、さらには広く社会の皆さまに、現在も大変なご迷惑とご心配をおかけしていることを、改めて心より深くお詫び申し上げます。
 併せまして、事故発生以降この1年間、国内外を問わず、関係する数多くの皆さまに多大なるご協力とご支援をいただき、改めて心より深く感謝申し上げます。


 当社は、責任の重さと果たすべき役割を常に意識し、福島第一原子力発電所の安定状態の維持、中長期にわたる廃止措置等への取り組みを、何よりも安全に十分配慮しながら確実に進めてまいります。そして、事故により被害にあわれた方々に寄り添った迅速・適切な賠償の実現に、当社グループを挙げて、真摯に取り組んでまいります。


 3月11日という日を、当社グループ社員一人ひとりがしっかりと心に刻み、安全を最優先に、全身全霊をもって課題の解決に努めてまいります。テヘペロ