Boaz2012-03-25

飲食業のチェーン展開で成功するには、味はそこそこで価格を
ギリギリまで下げ、長時間開店して集客することであろう。
そのしわ寄せは従業員にくる。


私がとある塾の雇われ塾長だったとき、下の店がはなまるうどん
だった。ビルの持ち主が塾とはなまるうどん両方の社長だったの
で、塾が暇な時間、私も手伝わされたことがあった。


私は塾の講師として雇われたのであって、うどん屋をやりたい
わけではなく、そのことを社長に言ったら、しばらくしてクビ
になった。
まあ、生徒が全く来なかったのでいずれクビになることは分かっ
ていたのだが。


そのときに見たのは、はなまるうどんの店長の過酷さだった。
朝10時半から開店し、夜は11時半まで営業していた。
年中無休でほぼ休みもなく、アルバイトのシフトを組んでやり
くりしていた。


昼食時にはにぎわっていたが、夜はほとんど人が入らなかった。
なので閉店時刻を夜10時に繰り上げた。


しかも、たいていの客は単価の安いかけうどんばかり注文する
ので儲けも少なく、いろんなキャンペーンで本部から指示され
るノルマもきついようだった。


結局、その店は私がクビになってから1年ぐらいして潰れた。
いまはとんこつラーメンのチェーン店が入っている。
やはり過酷な労働のようである。


私たちが「安いなあ」と思って食べているものは、奴隷労働の
産物である。よくカカオ豆を作っているアフリカ人はチョコ
レートを食べたことがないというが、日本でも同じような状況
があるのではないだろうか。
(さすがに飲食店の従業員たちは客と同じものを食べている
だろうけど)


できれば、従業員がまともな環境で働く店のものを買いたい。
それにはどのくらいの値上げが必要なのだろうか。