福島原発事故があってから、東電の記者会見の様子を何度もテレビで
見ている。
松本本部長は、たぶんこの事故がなければ一人のサラリーマンとして
平穏な人生を歩んでいたことだろう。
(異動してから、どんな仕事をしているのだろう?)
事故直後はともかく、基本的に東電の記者会見は組織防衛に徹していた。
手負いの獣が、これ以上攻撃されないように唸り声をあげて威嚇して
いるように見えた。
それは現在も続く記者会見でもそうだし、被害者救済の対応でも同じだ。
会社員として東京電力を守るために、情報はできるだけ漏らさぬように、
弁済額は1円でも少なくなるように、愛社精神をもってがんばっている。
おそらく東電としては、ちょっとした事故は時間が経てば忘れ去られる
だろうから、いま踏ん張っておけば大丈夫だ、と考えているのだろう。
原発を再稼働したら、また元の素晴らしい会社に戻ると。
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世界を震撼させたメルトダウン事故があったというのに、どうして
マインドが全く変わらないように見えるのだろう?
広報の人が、事故の前と変わらず、同じ場所に同じように通勤して
いるからだろうか。
私は、東京電力を一度潰した方がよかったのではないかと思う。
しこたま融資しているメガバンクが反対したから実現はできなかった
が、会社を存続させる意味はなかったのではないか。
通常の火力発電を行う組織を、東日本電力とか関東電力という別の
会社にして、最小限の実務を行う人だけを旧東電から移籍させる。
そして新規で入ってくる人を増やし、15年ぐらいかけて旧東電出身
者を一掃する。
会社を分割して、さらに発送電分離させてもよい。
その一方で、東京電力は、原発の事故処理専門の会社に組織変更し、
外部から人を入れて被害者の救済を第一に考えるようにする。
残りの原発の管理・運営は国がやる。
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このくらいして、あなたがたの愛した東京電力という会社は、もう
死んでしまったんですよ、と言ってあげない限り、無駄な組織防衛
は続くのではないだろうか。
会社の未来に変な希望があるから、ベクトルの向きが間違った努力
をしているように見える。
脳死した東電は、安楽死させるべきだと思う。