Schola 音楽の学校

NHK教育テレビでやっている坂本龍一の「Schola 音楽の学校」が面白かった。
前回のバッハ編もよかったが、今回のジャズ編は山下洋輔がゲスト講師になって
共演しており、ワークショップに集まっていた子供たちも忘れられない体験に
なったと思う。


翻って、小中学校の音楽の時間というのは、いったい何なのだろうか? 
私は義務教育で音楽が大好きになったという人を知らない。
合唱コンクールでヒステリックになった女子が浮かんでくるだけである。


体育の跳び箱もそうだが、リコーダーという楽器も、卒業したら二度と吹かない
人がほとんどだろう。
あれを全員にやらせる意味はあるのか? 
(逆に、iPhone のアプリか何かで、リコーダーの演奏ができるやつを作ったら
ヒットするかもしれない)


文科省は、こういう疑問に対する答をきちんと用意していると思うが、発想の
ベースが明治時代の音楽取調掛からほとんど変化していないのが問題だろう。


つまり、生徒が日常接している音楽と、授業の音楽が乖離しているのだ。
坂本龍一が、テレビで音楽の学校という番組に取り組んだ理由もそこにあるの
だろう。


私は、音楽や美術は学校の授業から切り離して、その分を数学や国語にまわす
べきだと考えるが、こういうことを言うと、芸術の重要性を無視している、と
反論されるだろう。


そうではない。
芸術系の学問は、そもそも生徒の評価とはなじまないものだし、年間を通して
やらなくてもよい。夏休みの間にワークショップを開くなりして補完すればよ
いのである。もちろん費用は公費で出せばよろしい。
そのコストは、芸術系の教師を徐々に減らしていくことで賄えるだろう。


あぶれた人材は、民間の音楽教室などの講師になって、文科省の縛りのない教育
をすればいい。
合唱やブラスバンドよりも、「けいおん!」のようなバンドが増えることを望む。




あと、どうでもいい話だが、坂本龍一の顔を見ていて、誰かに似てるなー、と
思っていたが、正解を発見した。

バナナマン設楽である。