Boaz2014-07-03

教育再生実行会議が、学制改革についての提言を安倍晋三首相に提出した、
というニュースを見た。


私が気になったのは、小中一貫教育の制度化である。
誰もが「中学受験はどうなるの?」と思ったのではないだろうか。


もし、公立の小中学校が小中一貫校になったら、私立の中高一貫校に行く
子供たちはどうすればいいのだろう。


普通に小学6年生の時点で受験して、中退という形で私立に進学するの
だろうか。
その場合、万が一私立高校を中退したら、小学校の卒業は認められるの
かどうか。
文科省の人は、そういう疑問に対する答を準備しているに違いない。


一方の私立中高一貫校はどうするのか。
黙っていても受験生が殺到する名門校はともかく、少子化で生徒集めに
必死なところは、小中高一貫教育という勝負に出るかもしれない。
すると、お受験の低年齢化が問題になる気がする。


ともかく、選択肢の多い大都市の親は大変だろうな、と思う。



一方、地方はだいたいが公立なので、中学受験が問題化することはない
だろう。


それよりも、たしか文科省は公立の中高一貫校をいくつか作ったはずである。
松山市では、旧県立松山西高校が県立松山西中等教育学校になって約10年に
なる。
これらの学校はどうなるのだろう。
ただでさえ志望者が減っているのに、小中一貫校ができたら死活問題になる
のではないだろうか。梯子を外されるようなものだ。



実は松山市には昔から小中一貫校がある。
愛媛大学付属小学校・中学校である。


学習塾でこの学校の生徒を何人か教えたことがあるが、ほぼ全員が生意気だった。
自分は他の子とは違う、という優越感丸出しで、非常に教えにくかった。
が、進学実績は、全国レベルでみれば大したことはない。


私はべつに、小中一貫校になったら生徒がみんな生意気になる、と言っている
わけではない。
むしろ「中1ギャップ」を乗り越えられる、良い仕組なのかもしれない。


だが、子供の教育はやり直しがきかない。
それが良かったのか悪かったのか分かるのは、時間がずいぶん経ってからである。
そのころには、安倍首相も諮問機関の人も、みんな死んでいるだろう。


そういえば、ゆとり教育を受けた子供たちが大人になっているが、彼らに
ゆとり教育を受けさせることを決めた人たちは、もう全員亡くなっている
のだろうか。


ゆとり教育に恨みがある人は、当時の文部省の官僚の墓でも壊したらどうだろう。
それでどうなるわけでもないが、墓石を壊せば少しはスッキリするかもしれない。