教育再生実行会議が、学制改革についての提言を安倍晋三首相に提出した、
というニュースを見た。
私が気になったのは、小中一貫教育の制度化である。
誰もが「中学受験はどうなるの?」と思ったのではないだろうか。
もし、公立の小中学校が小中一貫校になったら、私立の中高一貫校に行く
子供たちはどうすればいいのだろう。
普通に小学6年生の時点で受験して、中退という形で私立に進学するの
だろうか。
その場合、万が一私立高校を中退したら、小学校の卒業は認められるの
かどうか。
文科省の人は、そういう疑問に対する答を準備しているに違いない。
一方の私立中高一貫校はどうするのか。
黙っていても受験生が殺到する名門校はともかく、少子化で生徒集めに
必死なところは、小中高一貫教育という勝負に出るかもしれない。
すると、お受験の低年齢化が問題になる気がする。
ともかく、選択肢の多い大都市の親は大変だろうな、と思う。
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一方、地方はだいたいが公立なので、中学受験が問題化することはない
だろう。
それよりも、たしか文科省は公立の中高一貫校をいくつか作ったはずである。
松山市では、旧県立松山西高校が県立松山西中等教育学校になって約10年に
なる。
これらの学校はどうなるのだろう。
ただでさえ志望者が減っているのに、小中一貫校ができたら死活問題になる
のではないだろうか。梯子を外されるようなものだ。
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実は松山市には昔から小中一貫校がある。
愛媛大学付属小学校・中学校である。
学習塾でこの学校の生徒を何人か教えたことがあるが、ほぼ全員が生意気だった。
自分は他の子とは違う、という優越感丸出しで、非常に教えにくかった。
が、進学実績は、全国レベルでみれば大したことはない。
私はべつに、小中一貫校になったら生徒がみんな生意気になる、と言っている
わけではない。
むしろ「中1ギャップ」を乗り越えられる、良い仕組なのかもしれない。
だが、子供の教育はやり直しがきかない。
それが良かったのか悪かったのか分かるのは、時間がずいぶん経ってからである。
そのころには、安倍首相も諮問機関の人も、みんな死んでいるだろう。
そういえば、ゆとり教育を受けた子供たちが大人になっているが、彼らに
ゆとり教育を受けさせることを決めた人たちは、もう全員亡くなっている
のだろうか。
ゆとり教育に恨みがある人は、当時の文部省の官僚の墓でも壊したらどうだろう。
それでどうなるわけでもないが、墓石を壊せば少しはスッキリするかもしれない。