鴨川ホルモー

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

映画を見てから小説を読んだ。
今年のゴールデンウィークあたりに見た映画だったので、ほとんど
内容を忘れていたから、楽しく読めた。


読んでいるうちに、だんだんと映画も思い出してきて、小説との違
いも分かってきた。
私は小説の方が好きだが、映画は映画でがんばっていると思う。


一番の違いは、主人公が一目ぼれする早良さんのキャラクターであ
る。映画では悪女になっているが、小説ではそうでもない。計算高
い女ではあるが、一人称で語られているせいか、本人に悪意はない
ように思えた。


また、映画では「ゲロンチョリ」などの鬼語が実際に発音されてい
るが、小説ではそのような具体的な鬼語はない。
映像化するときに、どうしても考えなければならなかったのだろう
が、俳優の声を処理するなどして、普通の人には発音できないよう
にすればよかったのでは、と思う。


他にもいろいろ違いがあるのだが、それは見比べてからのお楽しみ
ということで。


それにしても、ホルモーというゲームをどういう発想で考えたのか、
また、オニの造形をどうやって思いついたのか、聞いてみたいとこ
ろだ。


よくできた青春小説なので、若者はぜひ読むべきではないかな。