眉唾ものだろうなぁ、と思いながら買ってみた。
が、思いのほか実用的な内容だった。
とはいえ、最初の「想造」の段階で取り残される読者がほとんど
ではなかろうか。
万城目学もツイートで
『小説家になって億を稼ごう』を読む。映像化された際の製作現場との付き合い方の項で、実写が「スターがいることに気分が昂揚するが、ほどなく誰もが同じ人間であることに気づく」と非常にわかる指摘であるのに対し、アニメの例示が「声優と結婚したいと思っても不可能と思い知る」なのがおもしろい。
— 万城目学 (@maqime) 2021年3月23日
他人の創作作法を聞くのは、よそさまのお宅の家具レイアウトをのぞかせてもらうような楽しさがあり、当然百人百様のアプローチがあるわけですが、主要人物の顔写真を用意して考えようというのは「へえ!」でした。私は最後まで、主人公含め登場人物の顔はのっぺらぼうのイメージのまま書くタイプです。
— 万城目学 (@maqime) 2021年3月23日
と書いており、俳優やキャラクターの姿をプリントアウトして、
それを見ながら話を練るというのは、どのくらいの作家が実践して
おるのか疑問だ。
あと、著者は映像化によほど懲りたみたいで、とにかく作者は
余計なことをしないほうがいい、と口を酸っぱくして言っている。
詐欺師や利権ヤクザに関わるようなものなのだろう。
こういう現状は、ずっとこのままなのだろうか。
だとしたら日本の映画やドラマはいずれ滅びると思う。
へえ、と思ったのが
実は現在、億単位の年収を得る小説家に、酒豪は皆無と言えます。
一滴も飲まない作家ばかりがトップクラスに君臨しています。
(p198)
という話で、では昔の作家で酒豪だった人はなんで名作を
書けたのだろうか。