地頭力

今日の「クローズアップ現代」で、地頭力というものが話題になっていた。
マイクロソフトが入社試験で“富士山を動かすにはどうすればいいか”と質問し、それに
うまく答えられるような人材を、地頭力があるというらしい。


ちなみに、上記の質問には正解はないらしいが、パワーショベルとトラックで300億回、土
砂を運べばいいという答もあったという。
100万年待つ、という答だっていいと思うが、そもそもこの質問をした人が富士山を動か
して何をしたいのかが分からない以上、どんな回答もできるわけだ。


企業がこのような質問をするのは、一種のひらめきを持った若者が欲しいからだろう。
だが、そのような天然モノはなかなかいない。


そうすると、学生は就職活動で情報交換をして、どのようにすれば地頭力があるように見
せることができるかの対策をとるだろう。
面接官も、そういう学生に対してはメッキをはがすような質問をぶつけてくるから、キツ
ネとタヌキの化かしあいである。


ちゃんと考えておかなければならないのだが、地頭力というのはあくまで企業が求める範
囲での能力である。
行き過ぎた資本主義は環境に負荷をかけるから、どこかでスローダウンしなければならな
い、と考える人が企業に入ってもあまり意味がなかろう。


また、企業としては教育を変えて、もっと地頭力をつけるようなシステムにしろ、と言う
かもしれない。
しかし、余計なお世話である。教育は企業の下請けではない。


クリエイティブな能力を発揮する人間が、そんなにポンポン出るはずもなく、昔からその
数は一定だったろう。
だからこそ会社を作って、それぞれが得意な分野で頑張ることにしたはずである。


なのに、全員が地頭力がある企業にしようとしているのは、どっか間違ってないか? 
そもそも、本当に地頭力がある奴は、さっさと起業して搾取する立場になっていると思う
のだが。


ゲストの糸井重里も、なんだかよく分からないコメントをしていた。
そりゃそうだろうな。