少年マンガの未来

今週の少年サンデーから藤田和日郎の新連載「月光条例」がスタートした。
御伽噺をモチーフにした物語らしいが、まだ全体像は見えない。
でも、非常に少年マンガらしいマンガで、毎週の楽しみが増えた。


少年サンデーとマガジンは、ともに創刊50周年ということで、キャンペーンを行っている。
名探偵コナン」と「金田一少年の事件簿」をコラボした雑誌も出すらしい。


私が塾の少年たちに訊いたところによると、小学生のときはコロコロコミックを読んで、
中学生ぐらいになると少年ジャンプを読むが、サンデーやマガジンを読んでいる子は思った
より少なかった。


読者の年齢層がもう少し高いのかもしれないが、15歳前後の少年がもっと読んでもいいので
はないかと思う。


では、彼らが何をしているかというと、ニンテンドーDSやカードゲームである。
むしろマンガを読むきっかけになるのはゲームからの方が多いような気もする。


そうすると、ゲーム原作のマンガを連載すればいいかというと、そうでもない。
実は少年サンデーではそのような試みがあった。「妖逆門-ばけぎゃもん-」という作品がそ
れだが、あまり人気が出なかったようだ。


面白いゲームと面白いマンガの互換性は、それほどゆるくない。
メディアミックス展開をしてついてくるのは、むしろオタク層が中心だろう。


携帯電話のコンテンツを入り口にマンガを読んでもらおうという試みもあるが、女子と違っ
て男子はそれほど携帯電話に依存していないような気がする。


マンガ雑誌は、新聞のように押し売りをしたり宅配をしているわけではないので、とにかく
手にとってもらわなければならない。
50年も続いてきた少年マンガというジャンルを絶やさないためには、どこかで一度大量に無
料配布ぐらいすべきだと思うがどうだろうか。


きっとマンガって面白いな、と思う読者が戻ってきてくれると期待している。
まだ100万部、200万部と発行されているから、そこまでしなくとも、とは思うが、町工場の
すごい技術を持った人がどんどん消えていくように、マンガ家の後継者もいなくなっていく
のではないかという危機感がある。


本文と写真はまったく関係ありません

日付は去年のものです