ザ・ライバル 少年サンデー・少年マガジン物語

学生のころ少年サンデーでバイトを、就職してからは隣の編集部が少年
マガジンと、両方の雑誌に少しだけ縁があるので、このドラマを楽しみ
に見た。


ときどき本当の編集者やマンガ家が登場するドキュメンタリーになって
いるけれど、ドラマの部分と一体となっていて面白かった。


少年サンデーの編集者役が成宮寛貴少年マガジンの編集者役が伊藤
淳史というキャスティングだったが、これは小学館の方がシュッとして
いて、講談社の方が泥臭いイメージがあるからだろうか。
本当はそんなことはないのだが。


物語はサンデーとマガジンの創刊から劇画の台頭あたりまでを描いてい
て、中途半端なところで終わっている。
おそらく、ジャンプやチャンピオンにも言及しなければならないけれど、
そのあたりは軽く触れるだけにとどめたのだろう。


ドラマには両方の編集者が通うバーがあるが、実際にそういう店が新宿
にあった。名前は忘れてしまったが、風林会館の近くだったと思う。
私も何度か連れて行ってもらって、小学館の方から名刺をいただいたこ
とがある。


いまやNHKが、マンガは文化です、という発言をしても何の違和感もなく
なってしまったが、これはほんの10年ぐらい前からのことで、それまでは
まだ下に見られていた。


しかし、文化になっちゃったらマンガはおしまいだ、とも思う。
そういう風に持ち上げられてしまったら、せっかくのマンガの猥雑なエ
ネルギーが失われてしまうのではないか、と心配である。
マンガは、いつまでもわけのわからないものであってほしい。


こういうドラマが作られるということは、すでに終わりの始まりかもし
れない、とネガティブなことを考えてしまった。