この話は前にも書いたかもしれないが、私は9ヶ月ぐらい交通警備員のバイトをしていたこと
がある。工事現場などで旗を振っているやつだ。
工事期間の長い現場だと、慣れている人がいた方がいいので、同じ人間が連続して指名され、
そのまま現場へ向かうことが多い。
私も、同じ建設会社で数ヶ月いっしょにバイトをしたことがある。
確かヒラヤマ建設といったっけ。
そのヒラヤマ建設には“外人部隊”と呼ばれる人たちがいた。
韓国人、日系ブラジル人、中国は黒龍江省から来た朝鮮族の人などで構成されていた。
現場監督は日本人だ。
彼らが仕事をするとき、どうやってコミュニケーションをとるか。
日本語で会話するしかないのである。
つまり、彼らにとっての国際言語は日本語なのだ。
残念ながら英語ではない。
おそらく、彼らが日本で生活しているからだろうが、重要なのは、誰が彼らに給料を
払っているかではないだろうか。
雇用主によって使用する言語が決まるという仮説を立ててみると、現に日本で暮らし
ながら、外資系で働いていて、仕事中は英語やフランス語などの外国語を使っている
日本人はいくらでもいるだろう。
つーことは、国際言語なんて言いながらも、実は経済言語なんじゃないの、と言える
わけで、英語を勉強することがそんなに偉いのかよ、と悪口のひとつも言いたくなる。
日本人に給料を貰ってるんだったら日本語を喋れよ、というのは傲慢だろうか。
もっとも、株主は世界中にいるわけで、厳密に誰から給料を貰っているかは分からな
いんだけれども。