テコンV

町山智浩のブログで知ったのだが、韓国でずっと以前に放送されていた「テコンV」という
アニメが、CGで実写映画になるのだそうだ。
「テコンV」は、誰が見てもマジンガーZの丸パクリで、いくら70年代に日本の文化が輸入
禁止だったにせよ、言い訳はできないような作品である。


このような韓国アニメを見て、韓国人を嗤うのはたやすい。
恐らく昔からそのような批判はあったのだろう。いまさら「テコンV」を叩くなんて、時代
遅れもいいところかもしれない。


遡れば、我々日本人だって自動車や洋酒を作るとき、欧米の丸パクリをしてきた。
映画やテレビドラマだって丸パクリがあったことは否定できまい。
そのような時期があったにせよ、いまではあからさまなパクリはできない状況になっている。
国民が、ある種の成熟をした結果だろう。


また、パクリが芸になっていれば、つまり本家よりも面白ければ、私はそれも一つの作品だ
と思う。
パクリには愛がないが、オマージュやパロディには愛がある、と言えようか。


私は不勉強なので、韓国のさまざまなロボットアニメを見たわけではない。
なので、もしかしたら数々の作品の中に、きらりと光るものがあったのかもしれない。
あるいは、現在の韓国では、日本を凌ぐようなアニメが製作されており、そのいくつかは韓
国ドラマのように、日本に輸入されているのかもしれない。
残念ながら、そのような作品を知らないけれど。


私は韓国人を可哀想だと思う。
彼らの国には、いまだに一人の永井豪も生まれていないからだ。
韓国人は、このような天才の存在の有無が、文化のクオリティを左右している事実を受け入
れなければなるまい。


天才はつくろうと思っても出来るものではない。
文化的な裾野の広さが、頂点の高さを決めるのだろう。
日本に永井豪藤子・F・不二雄が生まれてくれたことを、本当にラッキーだと思う。