ついさっき、夜中にシチューを煮込んでいて気がついたのだが、人は満腹のときに料理をしな
いのではなかろうか。
少なくとも私はそうだ。
プロの料理人は例外として、自分のために料理する人は、腹が減っているから何かを作るわけ
で、満腹のときはすでに料理を終えているはずである。
たまたま、今日スパゲティを食べて、翌日の晩飯のためにシチューを作ったので、そういえば
自分は満腹の状態で料理をしてるな、と思ったのだが、長い自炊生活でもこういうことはあま
りない。
そのせいかもしれないが、どうも調理するときの気合が足りないというか、一歩退いた感じで
作っているのである。
腹ペコのときは、とにかく今作っているものを平らげようと思うから、鍋を振る手にも力が入
る。その点、満腹のときは余裕があるから、気持ちに焦りがない。
調理時間が長引こうが平気である。
プロの料理人はこのような心理で食べ物を作っておったのか、と勝手に思ってしまった。
ただ、もしかしたらこれは男だけの気持ちかもしれない。
というのも、空腹でもないときに料理をして気分を変える女は割といるからだ。
これを性欲に例えるなら、男は射精したいためにセックスをし、自分の欲望が満たされた後は
まったく興味を示さなくなるのに対し、女は自分の欲望と関係ないときでもセックスできる、
ということになろうか。
‥‥我ながら、荒い考え方だなぁ。
しかし、料理上手は床上手、なんて言葉もあるくらいだから、手際よく食事の支度ができる人
は、あっちの方でもてきぱき(?)してそうである。
料理ができる男がモテるのも、なんとなくそういう感じがするからではなかろうか。
でも、一応断っておくと、モテそうな料理と日常のお惣菜は違う種類のものなので、自炊して
いるからといってモテるわけではない(と思う)。