おから

おからを大量投棄した人が捕まった、というニュースがあった。
50年前なら考えられなかっただろう。


しかし時代は変わり、1999年にはおからは食用など有料で取引される一部を除く大半は産業廃
棄物にあたる、という最高裁判断が出たそうだ。
おからはもはや食料ではなくゴミである、ということらしい。


いま、光村図書の小3の教科書の下巻では「すがたをかえる大豆」という文章が載っており、
大豆を使った様々な食品の例が挙げられている。
煎り豆や煮豆に始まり、きな粉や豆腐はもちろん、納豆・味噌・醤油などの発酵食品も、きち
んと写真付きで説明されている。


が、そこにはおからがないのである。
豆腐をどうやって作るかはちゃんと書いてあるのに、大豆をしぼったカスについては一切触れ
られないまま、ニガリを入れて固める過程に進んでいる。
恐らく、最近の小学生はおからを見たことも食べたこともないだろう。


ところが Wikipedia を読むと、どうやら江戸時代から、おからは廃棄物同然だったらしい。
そりゃ、手軽に豆腐が食べられたら、おからはどうでもよくなるだろうな。
かなり貧しい人がタダ同然でもらって食べていたものだったのだそうだ。


確かにあまり旨いものではないが、卯の花としてちょっとした器に入れられると、立派な一品
料理として成り立っていたと思う。栄養価も高いらしいし。


そういえば、日本は大豆の需要のほとんどを輸入に頼っているのだった。
年間に消費する大豆は約500万t前後で、そのうち400万t弱が食用油用に使われ、残りの100万t
が味噌や醤油や豆腐などの食品に使われている。


自給率は食品に限った場合、約25%ぐらいだそうで、四分の三は外国からの輸入でまかなってい
る。私たちは豆腐の分については、せっせと輸入しては搾りカスを捨てているのである。
なんかエコじゃないなぁ、と思うけど、たぶん偉い人が有効利用を研究しているに違いないから、
何も考えずに豆腐をパクつくことにしよう。


本文と写真はまったく関係ありません

从*・ 。.・)<大豆にはすごいパワーが秘められてるの