自炊と付き合い

サラリーマンなら、仕事が終わった後で「ちょっと一杯いこうか」「いいっスねぇ」みたいな会話を
することがあるだろう。


しかし、この会話が成り立つには
1. お互いに酒を飲むことができる
2. 晩飯の予定を気軽に変更することができる
3. テレビなどの視聴したい番組を録画/断念できる
という条件が必要だ。


3は冗談としても、1と2は重要な理由になるのではなかろうか。
お互いに気心が知れた関係ならともかく、仕事上の付き合いならば断ることもできない場合が多い。
下戸でも酒席に出て座を盛り上げねばならぬこともあると思う。


そうではなく、打ち上げ的な場合で、楽しい酒になるようなときも、突発的な飲み会がある場合は、
自炊をしている人はとっさに自宅の冷蔵庫の中味を頭の中でチェックするのではなかろうか。
主婦的な感覚かもしれないが、私は野菜や肉などの賞味期限が大丈夫かどうかを気にする。


たとえば、ウィークデーはスーパーに買い物に行けないので、週末に生鮮食料品をまとめ買いすると
しよう。冷凍庫はあまり大きくないので、すでにいっぱいである。
そうすると、買った食材をきっちり食べ切らなければもったいない。
だいたいの献立を決めて、足の速いものから調理するようにする。


ところが、そういう計画が突発的な飲み会で妨害されることがあるのだ。
先に言っといてよ、と文句をいうわけにもいかず、脳内で「一日ずれるぐらい大丈夫さ」と気持ちを
落ち着け、にっこり笑いながら誘いを受けるわけである。


逆に言えば、「ちょっと一杯」と気軽に他人を誘える人は、晩飯の予定とか冷蔵庫の食材などを全
く考慮しなくてもいい生活をしていることになる。
どういう人かというと、いつも外食で済ませている独身か、既婚者だろう。
既婚者の場合は、嫁さんに負担がかかるわけだ。


こんなことを考えてしまうと、絶対に自分から人を誘えなくなる。だって、予定があるかもしれない
から。
意識しすぎなのだろうが、これって子供のころから気軽に「あーそーぼ」と言えなかった人間特有の
思考パターンなのかも。


万事予約を入れなければならない世の中である。
プライベートでの突発的な誘いは激減しただろう。その一方で、仕事での上下関係での誘いは増えた
のではなかろうか。サラリーマンは大変である。


本文と写真はまったく関係ありません

日付は去年のものです