Boaz2013-08-07

この歳になって、自分がインテリアに全く興味のないことを知った。
全くというのは言い過ぎだが、部屋を自分のイメージ通りにしたい
という欲望がほとんどないのだ。


ただ、ほとんどの人も、インテリアのイメージは誰かの借り物である。
雑誌だったり憧れの人の部屋だったりを真似しているにすぎない。


本当に確固たる想像力のある人は、自分で設計図をひくぐらいのことを
しているはずだ。
だが、普通の人は建築家にはなれないから、有り物から選ぶのである。


インテリア業界も、そこは心得たもので、こういう感じにしたい、という
パターンをいくつか用意しており、巧みに誘導している。
なので、借り物の中で暮らしているから、最初のイメージをキープでき
なくなり、部屋が荒れる。



じゃあ、自分が必要な条件って何だろう、と考えてみる。
この場合、お金は関係ないものとする。


そうすると、まずコタツが置ける部屋でなければならない。
足が冷えるから、床暖房では追いつかないからだ。
それと、大きめのテレビがあればいい。オーディオに凝る方ではないが、
できればいい音響で聴きたい。


それから、すぐ寝られるようにベッドの方がいい。
和室に布団もいいのだが、万年床になりそうな気がする。


さらに付け加えるなら、大きい本棚がいくつか置ければ満足だ。
西洋の豪邸にある、壁一面が本棚というのに憧れるが、自分が持っている
のはマンガや新書ばかりなので、人に見せびらかすようなものではない。


あとは、広いキッチンがあれば言うことはない。
そこに大きめの冷蔵庫を置ければ完璧だ。



自分で書いてみると、なんじゃこりゃ、という感じである。
俗物臭がハンパない。
こんな貧困なイメージしか持てないのが哀しい。


私が思うに、個性的で趣味が良い部屋というのは、何かの趣味の延長上
にあるような気がする。


釣りが好きな人やバイクが好きな人は、きっとその趣味が快適になる
ような部屋をイメージするはずで、そこにはブレがない。
そういう趣味がない人は、なんとなく他人のイメージの寄せ集めに
なるのだ。


こういうことは、義務教育では教えてくれないような気がする。
親からの文化資本というものだろうか。