クルマの色

小学生のころ、誰に聞いたか忘れてしまったのだが、街中でフォルクスワーゲン・ビートルを
みかけたら、その車体の色によって吉凶が分かる、という占い(?)があった。


私の住んでいた地域では、赤いのを見たら悪いことが、白いのを見たらいいことがある、とい
うものだった。レアだったのは緑で、これを目撃するとラッキーなことがあると言われていた。


小学生のときの刷り込みは恐ろしいもので、そんな占いなんか全く信じなくなったにもかかわ
らず、オッサンになった今でも、街で赤いビートルを見たらギョッとしてしまう。
一種の強迫神経症なのかもしれない。


なんでこんなことを思い出したかというと、選挙の日の夜だったか、教育テレビで語学番組の
出演者が集まってトークをする番組があった。その中でフランス人のパトリス・ルロワが、フ
ランスでは黄色は裏切られた男を意味する色なので、フランスには黄色いクルマはない、と言
っていたからだ。


私はフランスに行ったことがないから、ほんまかいな、と思っても確認する術がないのだが、
ルノープジョーのクルマに黄色いのはあったような気がする。もしかして日本向けに輸出す
るやつだけなのだろうか。


前に新聞で、景気がいいと黒系の色のクルマが売れる、という記事を読んだことがある。
いま黄色いクルマは、たぶん売れていないのだろう。街中でもあまり見かけない。
たいていの人は、無難に黒系か白系の塗装にして、目立たないように走っている。


逆に言えば、派手な色のクルマのドライバーは、ちょっと目立ちたがり屋ということか。
ヤンキー車とか痛車は別として、赤・青・黄・緑系のクルマの人は、無意識にちょっとした自
己主張をしているのかもしれない。


案外、そういう人は普段とクルマを運転しているときの人格が違ったりするのではなかろうか。
いろんな人の助手席に乗ってきた私だが、たとえば渋滞のときに、いつも温厚なドライバーが
急にイライラして悪態をついたりすると、ほう、この人にはこんな一面があるのか、というこ
とが分かる。


意外とそういうところで男の器量を見定めている女は多いのかもしれないので、男性諸君はク
ルマでデートするときに気をつけた方がよろしかろう。(←上から目線ですいません)


本文と写真はまったく関係ありません