金属バット

少年が金属バットを持って歩いていても、あまり違和感はないが、スーツを着たサラリーマンが
金属バットを持って歩いていると、ギョッとする。
道具というのは簡単に凶器になるのですね。


ところで、私は自転車に乗っているので、交差点では歩行者とともに信号待ちをする。
そのとき、クルマが焦って進もうとして結局信号に引っかかり、横断歩道の上で停止することが
よくある。


そうすると、歩行者はわざわざクルマをよけて通らねばならず、腹立たしい思いをする。
横断歩道の上に停車しているクルマを運転している人も、たいていはいたたまれない顔でハンド
ルを握っている。


このようなことをなくすためには、クルマのドライバーに危機感を与えなければならない。
そこで私は道路交通法を改正し、歩行者の信号が青のときは、横断歩道に停車しているクルマに
いくら危害を加えても無罪にすることを提案する。


具体的には、交差点で歩行者が信号待ちをするところに、傘立てのようなものを置き、そこに金
属バットやハンマーを入れておく。
歩行者は、もし横断歩道にクルマが停止しているのを見たら、傘立てから自由に得物を取って、
横断中にクルマをボッコボコにするのである。
使い終わった得物は、次に使う人のために、渡った先の傘立てに入れておく。


これを繰り返せば、さすがにドライバーも危険を感じ、絶対に横断歩道の上に停車することはな
くなるだろう。


しかし、これは街中に凶器を配置することになるため、実現は不可能である。


そこで、携帯を使うことを思いついた。
歩行者は、もし横断歩道に停車しているクルマを発見すれば、写真を撮って警察に送付するので
ある。そのとき、必ずクルマのナンバーを入れるのを忘れてはいけない。


通報されたクルマは、確実に減点され、通報した人にはポイントがたまる。
本当はポイントがたまったら、自分が起こした違反がチャラになるとかしたいのだが、そういう
わけにもいかないから、ピーポくんなどのグッズでごまかすしかなかろう。


これならクルマが傷つくこともないし、警察も手軽に減点できるし、利点が多いのではなかろう
か。
これも実現する可能性はゼロなんだけど。


本文と写真はまったく関係ありません

( ・e・)<いいかげんにするのだ