1993年のゴールデンウィークに友人とブラジルに行った。
旅の途中で、サンパウロに遠い親戚がいるので会いに行くため、
私は友達と分かれて単独行動をとった。
親戚と無事に会えて、夜になって友達のいるクリチーバという街
まで夜行バスに乗ることになった。
サンパウロの巨大なバスステーションまで連れて行ってもらい、
このバスに乗ったら朝に着くから、と親切に教えていただいた。
さて、バスに乗ると、私以外は全員ブラジル人だった。
私は一番後ろの席に座っていたが、緊張してほとんど眠れなかった。
うとうとっとすると、もう朝になっていた。
慌てて運転手に「クリチーバ? クリチーバ?」と言うと、降りろ
とジェスチャーしてくれた。
確かめなければ、たぶん乗り過ごしていただろう。
早朝のバス停で迎えに来てくれるのを待っていると、ブラジル人の
おばさんが話しかけてきた。
が、ポルトガル語なので一切わからない。
身振り手振りで、友達がクルマで迎えに来る、というのをなんとか
伝えると、あんまり納得いかないような顔をして去っていった。
無事に友達が迎えに来てくれたので、私はクルマに乗ってすぐに
眠ってしまった。クリチーバがどういう街だったのか、おぼろげに
しか記憶していない。
なんでこんなことを書いたかというと、サッカーW杯の試合会場が
紹介されたニュースで、久しぶりにクリチーバという地名を見た
からだ。
いま、どんな様子なのか、テレビで見たいものだ。