いきなりネットに接続できなくなったので、この日の日記は書けなかった。
いや、書こうと思えば携帯電話から書けたのだ。
しかし、私はふだん携帯メールを全く使っていないため、入力が恐ろしく遅い。
キーボードに慣れてしまうと、あの操作方法はイライラする。
ところが、女子高生などは逆に携帯電話からの方がいいらしく、ものすごい速さで入力している。
かつてポケベルが流行ったとき、公衆電話からえらいスピードで打電しているのをテレビで見た
ことがあるが、ツールというのは人間のいろんな能力を開発できるものだなぁ、と感心した。
内田樹のブログを読んでいたら、文体はツールによって変化する、という話があった。
手書きとキーボードと携帯では、それぞれ思考が違ってくるのだそうだ。
おそらく携帯でしか文章を打たない人は、自分が何を書いているかあまり読み返すこともなく、
複雑な構造の文章、すなわち思考ができなくなるのではないか、というようなことが書いてあった。
例えば、2chなどの掲示板では、二行から三行ぐらいの文章で書くのが不文律になっている。
たまに長いレスがあると“空気嫁”と言われる。
あそこではゆっくり考えることはダサいこととされ、芸人のように瞬時に練った言葉が出せる人が
偉いのだ。
長い文章を読ませる力がある人は、一見びっしりと書いてあっても、するすると読めてしまう。
私はそういう能力がないから、なるべく数行ごとに間をあけているが、面白くないものを間を空け
て書いても、やはり面白くないから誰も読まない。
いかん、愚痴になってしまった。
清水義範の小説に、架空の新人賞応募作品をいろいろ書いたものがあって、その中にほとんどマン
ガの擬音みたいな、ズバッ、バシッという言葉しかないものがあって笑ったが、そのうち本当にそ
んな作品が応募されてくるかもしれない。
携帯向けの小説って読んだことがないけど、そういう文体になりつつあるのだろうか?