読売新聞に載っていた、コミュニティシネマ支援センター調べの05年全国都市別映画公開率が
面白かったので転記する。
なお、公開率とは、日本で制作された・輸入された映画と、公開された映画の割合である。
まず公開率上位10都市
順位 | 都市 | 作品数 | 公開率(%) |
---|---|---|---|
1 | 東京23区 | 725 | 98 |
2 | 名古屋市 | 503 | 68 |
3 | 大阪市 | 483 | 66 |
4 | 札幌市 | 430 | 58 |
5 | 福岡市 | 408 | 55 |
5 | 京都市 | 406 | 55 |
7 | 仙台市 | 379 | 51 |
8 | 神戸市 | 353 | 48 |
9 | 広島市 | 322 | 44 |
10 | 新潟市 | 289 | 39 |
10 | 大分市 | 288 | 39 |
東京の98%は置いといて、人口100万人ぐらいの大都市だと制作した映画の半分ぐらいは映画館で
見られる、という感じだろうか。
10位の新潟市・大分市以下は、どんぐりの背くらべ状態が続く。
一応、だらっと公開率中位の都市を書いておく。
順位 | 都市 | 作品数 | 公開率(%) |
---|---|---|---|
12 | 山形市 | 278 | 38 |
13 | 那覇市 | 275 | 37 |
13 | 岡山市 | 272 | 37 |
15 | 金沢市 | 268 | 36 |
16 | 宇都宮市 | 254 | 34 |
16 | 前橋市 | 252 | 34 |
18 | 岐阜市 | 246 | 33 |
18 | 千葉市 | 244 | 33 |
18 | 松山市 | 240 | 33 |
21 | 福井市 | 234 | 32 |
21 | 熊本市 | 234 | 32 |
23 | 秋田市 | 225 | 31 |
24 | 横浜市 | 221 | 30 |
24 | 静岡市 | 221 | 30 |
24 | 長崎市 | 218 | 30 |
27 | 高知市 | 209 | 28 |
27 | 宮崎市 | 203 | 28 |
29 | 盛岡市 | 196 | 27 |
30 | 富山市 | 195 | 26 |
30 | 四日市市 | 189 | 26 |
32 | 青森市 | 185 | 25 |
32 | さいたま市 | 185 | 25 |
32 | 鹿児島市 | 182 | 25 |
35 | 和歌山市 | 180 | 24 |
36 | 甲府市 | 170 | 23 |
ほぼ、20%から40%弱ぐらいの公開率である。
地方都市の現実はこんなものだろう。
当たり前だが、制作された映画がすべて公開されなくても、別に困りはしない。
よほどマニアックな人でない限り見ない映画がほとんどなので、これが普通といえば普通なのだ。
どうしても見たければDVDがあるし。
人口20万〜50万人ぐらいの都市では、ミニシアター系の映画を上映しても、それを見に行くお客が
ほとんどいないのだと思う。
それは、いやらしい言い方だがインテリ層が薄いということで、いくら地域の映画好きな人が頑張
っても赤字にしかならない構造を抱えている。
ま、ミニシアター系の映画を見てればいいのかというと、そういうわけでもないのだけれど。
選択肢の多様性が問われているわけですね。
最後は公開率が下位の都市である。
順位 | 都市 | 作品数 | 公開率(%) |
---|---|---|---|
37 | 大津市 | 156 | 21 |
37 | 佐賀市 | 155 | 21 |
37 | 高松市 | 153 | 21 |
40 | 長野市 | 146 | 20 |
40 | 徳島市 | 145 | 20 |
42 | 水戸市 | 137 | 19 |
43 | 奈良市 | 121 | 16 |
44 | 松江市 | 79 | 11 |
45 | いわき市 | 69 | 9 |
46 | 鳥取市 | 59 | 8 |
47 | 下関市 | 23 | 3 |
最下位は山口県下関市で、なんと制作された映画の3%しか上映されていない。
おそらく話題作だけが公開されているのだろう。
ちょっと渋い映画を見ようとすれば、福岡市や北九州市まで足を伸ばしているのだと思われる。
たぶん、大津市や奈良市や水戸市も、近くの大都市まで遊びに行って映画を見て帰るパターンが
多いはずだ。
しかし、週に1本映画を見たとしても、年間で50本ちょっとである。
映画オタクの学生ならともかく、普通に働いている人は映画館で年間10本ぐらい見ればいい方で
はないだろうか?
もし、東京で上映されている映画を全てチェックしようと思ったら、一日2本以上を毎日休みなく
見なければならず、まず不可能だ。
それに、全部が面白い映画ならいいが、たぶん全体の9割はたいしたことがない作品のはずだ。
仕事でもない限り、そんなことに時間を費やすよりは、別のことをした方がいい。
できれば、1ヶ月遅れぐらいの作品を廉価で上映する二番館、三番館があれば申し分ないけれど、
そういうビジネスモデルはもう成り立たないのかもしれない。
名画座の役割もなくなってきてるんだろうし。寒い時代だ。
本文と写真はまったく関係ありません
||c| ・e・)<映画でも見に行くのだ
从釻v釻)<高校生3人だったら、ひとり1000円でいいんだぜ
从;´ ヮ`)<藤本さん、高校生‥‥?