教育再生問題

塾講師をしていたとき、中2の子が「あるある」で血液型別ダイエットというのを見て、すっかり
信じ込んでいた。血液型と痩せることの間には、たぶん何の科学的な根拠もないよ、ということを
言ったのだが、その子は頑として私の言うことを認めなかった。


私の母親もそうなのだが、あまり頭がよくない人は、発言の内容ではなく、発言をした人でものごと
を判断する傾向がある。
テレビで○○さんが言ってたから、と大脳を使わずに信じる。


こういう人々に、素人が何を言ったところでムダだ。
バカはバカのまま年老いて死んでしまう、という事実を認めなければならない。
願わくば、テレビに出ている人はまともなことを言ってほしいが、まともなことを言ったら視聴率は
とれないみたいだから、あまり期待できない。


今度の国会では教育再生問題が重要な議題になるらしい。
ここで話し合われるのは、未来の世代の教育である。
すでに義務教育を終えてしまった人に対しては、何のフォローもない。
ということは、あまりよろしくない教育を受けた世代は、そのまま親になり老人になるということだ。
これって、何十年にもわたって社会にダメージを与えるのではなかろうか。


もし、いまの子供たちが学力低下や学級崩壊などで荒れているというのが事実ならば、半分は学校の
責任だが、残りは親や社会の責任である。
国会では学校に関する部分をいろいろ変えるために話し合うようだが、壊れた親や社会は放ったらか
しなのか? 
むしろ、親を再教育すべきなんじゃないかと思うのだが‥‥


しかし、鉄は熱いうちに打て、という。
もはやバカな大人に何を言ったところで、素直に話を聞いてくれるわけではないだろう。
それでも、欠けている常識を埋めるような活動を誰かがしない限り、バカはどうにもならないはずだ。
公共広告機構がやっているCMだけでは、たぶん届かないんじゃないかなぁ。


その一方で、私の勝手な推測にすぎないが、親を見限る子供がたくさん出現しているような気がする。
少女マンガの「フルーツバスケット」や「彼氏彼女の事情」に、そういう表現があったのを読んだこと
がある。


マンガ家が“炭鉱のカナリア”だとしたら、多くの子供たちが親の言動をバカらしいと思ってシニカル
に見つめているのかもしれない。
いずれは親より賢くなってほしいとは思うのだが、親のことを尊敬できずに育った子供たちが大人に
なったとき、はたしてこれまでの常識が通じるのだろうか、と心配になる。


壊れた親から壊れた子供が作られ、それが連鎖していくのか、それともある世代で持ち直すのかは、
ずっと観察してみないと分からない。
私はその前に死んでしまうだろうけど、テレビを見て納豆を買い込むおばちゃんが減るような世の中に
なってくれたらいいなぁ。


本文と写真はまったく関係ありません

( ^▽^)<どんなときも全力を出すことを教えるよ!