老人用地デジ

うちの母親が台所で見ているテレビが壊れた。
スイッチを入れると音声だけはすぐに出るのだが、画面が1時間ぐらいは
真っ暗なままになる。
さすがに買ってから10年以上はしているから、買い替えの時期である。


ところが、老人というものは家電に疎い人が多い。
母親が大きな電器屋に行っても、何を買えばいいのか、まごまごするばか
りだろう。


なぜかといえば、自分でもどんなテレビが欲しいのか把握していないから
である。
どの大きさで、どういう機能が必要かが分かれば、購入するテレビも数点
に絞られるはずだが、単に映ればいいだけなので、どれを選べばいいのか
迷うのだ。


そうなると、電器屋の店員の腕の見せ所だが、必要以上に高いものを買わ
されてしまう可能性もある。
私がついていって選べばいいかもしれないが、なかなか時間がないし、母
親は能力もないくせに自分で決めたがる人なので、アドバイスをしても聴
く耳を持たない。


このような偏屈な老人は、全国にたくさんいるだろう。
そこで家電メーカーにお願いしたいのは、老人用の地デジテレビである。
機能をシンプルにして、リモコンのボタンもなるべく少なくし、価格を抑
える。
耳が遠いだろうから、音は大きめにして、画面は目が疲れるのであまりビ
ビッドにしない。


家電売り場で、年寄りはこれ! というブランドを作り出せば、ほとんど
入れ食い状態で売れるだろう。


老人にとっては、アナログもデジタルもなく、テレビは映ればそれでいい
のである。データ放送とかそういう余計なものは要らない。
ビデオ端子も要らない。
高画質よりも、安いテレビが欲しいのである。


5万円のノートPCがバカ売れしたように、5万円の地デジテレビを出せば、
メガヒット間違いなしですよ。