おばさんとコピー機

先日、コンビニで立ち読みしてたんですよ。
そしたら、おばさんがコピー機の前で困ってるんですね。
店長らしき人を呼んで、使い方の説明を受けてるんだけど、どうやら店長もよく
分からないみたいで、ハッキリしたことが言えない。


見かねて、ちょっといいですか、と声をかけて、おばさんが何をどうしたいのか
聞いてみた。
すると、A4の原稿をB5に縮小してカラーコピーしたい、ということだった。
なんだ、簡単じゃないか。


じゃあ、ここに原稿を置いて、コピーしたい大きさの紙を選んで、OKだったら
ボタンを押す。
ガー。
はい、できた。


おばさんは、やれ嬉しやと帰っていった。
店長も、ありがとうとお礼を言ってくれた。
いや、こっちも立ち読みしてたんでね。すいませんね。


店を出て考えたのだが、あのおばさんは、たぶん次に何かをコピーしたい時も、
絶対に人の助けを求めるだろう。
それって、本当におばさんのためになったのだろうか? 


ほら、ODAの援助だって、単に何かをあげるんじゃなくて、自立できるように
するのが本来の目的だし。
だから、私が全部やるんじゃなくて、おばさんに使い方を教えて、ひとりで
できるまでやらせるのが正しいことだったんじゃなかろうか、などと自転車を
こぎながら思ったわけですよ。


ずっと前の新聞に、東大の大学院でコンピューター言語の研究をしている女性の
記事があって、なんと彼女はビデオの録画予約ができない、とあった。
そんなもん、彼女にやる気がないだけじゃないか。ふざけんな。


本人の能力がないならともかく、やる気がないだけなのは腹が立つ。
テレビとビデオの接続とか、そういうのだって、義務教育を受けてたらだいたい
分かるだろうが。


あっ、思い出した。
前に同じ会社にいたおばさんの自宅まで行って、パソコンをセットアップした
ことがあった。(俺、本当におばさんにはモテモテだぁ)
で、無事に動いてネットに接続できたのも確認して帰ったのだが、それから
何度か、わりとつまらんパソコンのトラブルで、おばさんがうちに電話してくる
ようになった。


一度、雪が降るのに三鷹から世田谷の若林までパソコンのサポートをしに行った
のだが、いいかげん腹が立ったので、マニュアルか本を読んで勉強してくれ、と
言った。そうしたら、二度と電話がかかってくることはなくなった。


たぶん、高齢者の電話を受けるパソコンのサポートセンターの人は、胸にどす
黒い怒りの塊がこみ上げてくることもあるだろう。
その気持ちはよーく分かる。


この、面倒くさいことは誰かがやってくれるから自分でやらなくてもいいや、
という考えは、小中学生のときに撲滅できないものだろうか。
まあ、何もかも自分でやらなきゃいかんというわけではないが、ちょっとは自分で
考えようよ、ということである。


こういうマインドを持った人が、理系なのかもしれない。 
私はバリバリの文系なのだが‥‥