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自分のバカさ加減に、本当に呆れた。深く反省しよう。
そして、地上波で放送してくれて、ありがとう。
日本の映画では珍しいほど、キャスティングがびしりと決まっている。
これが、下妻物語が成功した一因だろう。
全員、ハズレがない。これは奇跡的といってもいい。
私は、終盤で深田恭子がキレる場面を見て、なるほどロリータとヤンキーは
根がひとつなのか、と納得した。
彼女たちは、普通とは違うファッションを誇示する、という共通点があり、
それは共同体の周縁に位置する者たちの反抗なのですな。
(しかも、下妻は地理的に首都圏の周縁だし)
なーんて分析は、映画公開時にさんざん語られているだろうから、もう書かない
し、書ける能力もないのだが、ヤンキーのファッションについて、ちょっと
面白い話があったので紹介したい。
「犬にかぶらせろ!」というサイトで、“カルチュラル・スタディーズの教科書
として読みたい『BE-BOP-HIGH-SCHOOL』、または「日の丸には黒はない」”という
大変長いタイトルの記事があった。(参照)
ここで、不良ファッションのルーツは、1930年代に黒人の間で流行したズートスーツ
だろう、と推測されている。
私も、ズートスーツの写真を見たとき、なるほどと思った。
白人たちの日常のスーツスタイルを下品にして着てやろうぜ、というツッパリ
精神が、日本の不良のハートに火をつけたのだ。
今も、ストリートファッションで米国の黒人の真似をしている若者が多い。
では、なぜ彼らは米国の黒人のファッションにあこがれるのか?
差別された者の反体制運動は、他の国にもあるはずなのに、なぜ米国か。
たぶん、外国というと米国しか思いつかないからかな。
あと、体制に反発すると、マジに殺されるので、ファッションどころではない国が
ほとんどだからかもしれぬ。
さて、話は映画「下妻物語」に戻る。
レディースの特攻服は、学生服の長ランから発展してああなったのか。
そして、“喧嘩上等”や“夜露死苦”などの刺繍は、どういうルーツがあるのか。
謎は深まるばかりである。
ロリータファッションだって、ナボコフの小説「ロリータ」には、ああいう服は
全く出てこない。完全に日本発のファッションである。
そんで、Wikipedia でロリータ・ファッションの項を読んだのだが、その主張は
よく分からない。
とにかく、着たいから着てんだコノヤロォ、という感じだ。
主人公たちのような極端な人の対極にいるのが、ジャスコの服を着て満足して
いる人々(=下妻の一般的な人々)である。
だって、普通はファッションで世間と戦ったりしないもんな。面倒くさいし。
映画では、ダサさの象徴のように言われているが、よく協力してくれたもんだ。
さすが器がでかいな、イオングループは。