金融とパック旅行

昨日、旅行の醍醐味は自分で計画を立てることである、というようなことを書いた。
私の親はパック旅行でしか海外へ行ったことがなく、そういう人々をバカにしていた
のだ。


しかし、考えてみれば、普通の人が海外旅行に気軽に行けるようになったのは1970年代
からで、私の親の世代は若いときに旅行へ行くことができなかったのだから、年配に
なってパック旅行に頼るのも無理はない。バカにしたことを反省している。


私はH.I.Sが格安航空券を販売するようになってから外国へ行ったので、航空券の手配
とかホテルの予約などは苦にならない。
けれども、そういう事務的なことが苦手だったり面倒くさかったりする人だってたくさん
いるはずだ。
だから選択肢としてパック旅行残しておくべきだと思う。


そこでハッと気がついたのが、貯蓄・投資の問題だ。


郵便貯金や銀行預金というのは、いわばパック旅行である。
安心確実だけれど、自由度がない。
だが、世の中にはたくさんの金融商品や投資先があって、自分のお金をどうするか、
様々な選択肢から決められる人もいる。これが個人旅行と言えよう。


行政は米国や金融業界の圧力もあってか、個人旅行を勧めている。
だが、自由の一方には自己責任というリスクもあって、最悪の場合には死ぬことだって
ありうる。
だから、安全・確実な貯金を選ぶことは、決して愚かなことではないはずだ。


だが、どうも最近の株高で、誰かが人々をリスクのある方へある方へと煽っている
ような気がする。
金融の知識があるにこしたことはないのだが、苦手だったり面倒だったりする人も
いて当然だ。
リスクは、こういう人々が背負うのだろう。


頭のいい人が陥りがちなことだが、自分にできることは他人にもできると思っている。
竹中平蔵は、どんな人も勉強すれば金融のノウハウを習得できると思っているのだろう
か? 
日本人全員の頭が急によくなるわけはないと思うのだが‥‥。