「ファスト映画」というのをニュースで知った。

10分ぐらいで映画の内容を紹介するらしい。

世間にはよほど知ったかぶりをする人が多いようだ。

 

なぜそういう需要があるのか。

私にはよく分からないが、たくさん映画を見ていると

思われたいということか。

もし本当にちゃんと映画を見た人と会話したとき、

どうするつもりなのだろう。そういうリスクはほとんど

ないと踏んでいるのか。

 

昔の米国の雑誌に「リーダーズ・ダイジェスト」という

のがあった。

Wikipediaを見るとまだ発行しているようだ。日本版は

もうない。

 

発想としてはこれと一緒なのだろう。

いかにも米国の底の浅い人々が考えそうなことだ。

たしか文学の名作のダイジェスト版もあって、

知ったかぶりできるのでずいぶん売れたそうだ。

 

 

しかし、かつては教養があることが格好いいことだった

けれども、いまはそういうのがオタクっぽくて嫌われる

のではなかったか。

 

いや、むしろ深い知識を語るのが気持ち悪いとされ、

手広く浅いことを語るのがいい、ということか。

2chを作った人が妙にもてはやされているのが

その証拠だ。

 

 

ただそれは手段と目的を取り違えているだけだ。

あることが好きで、のめり込んだ結果いろんなことに

詳しくなった、というのが正しい姿であろう。

詳しくなるふりをするために、ダイジェストをいくつも

見るのは、文化的に貧しいではないか。