修学旅行の写真

修学旅行に行く中学生に聞いたら、個人の携帯電話は持って行ってはいけない
そうだ。
では旅行中の写真はどうするんだろう。


実際は、学校がチェキ的なカメラを貸与して、それで撮るらしい。
全部で30枚ほどしか撮れないのが厳しいそうな。
(個人のデジカメも持って行ってはいけないとのこと)


四半世紀前の私のときはどうだったろうか? たぶんカメラを持って行ってい
る奴は誰もいなかったし、そもそも写真をしょっちゅう撮ったりするカルチャ
ーはなかった。
だから、引率の先生が撮った写真を、後から注文するシステムだったはずだ。


おそらく、今もそうなのだろう。
デジカメだから、もっと便利になっているのかもしれない。
生徒しかアクセスできないホームページ上で注文を受け付けるとか。


しかし、写真は自分で撮るのが楽しいのではないか、と思う。
昔の中学生は、自分のカメラを持つことなんて夢のまた夢だったけれど、今は
携帯のカメラで撮影するのが当たり前だ。


これは、テクノロジーが発達したのに制度が追いついていない例のひとつだと
思う。
あるいは、テクノロジーの良い部分と悪い部分のバランスを容認できていない
からだとも言える。


何度も例に出して申し訳ないが、クルマは便利な乗り物だが、年間に数千人の
死者を出している。だが、誰もクルマに乗るのをやめろとは言わない。
テクノロジーの負の部分を社会が黙認しているからだ。


多少のことは黙認する、というのは大人の知恵だと思うが、どういうわけか、
完全主義が幅をきかせている。一人たりとも犠牲者を出すことは許されない、
という。


確かに一人も犠牲者を出さないようにするのが望ましいことではあるが、それ
を言い出したら何も前に進まないこともある。
どこかでリスクとベネフィットの折り合いをつけなければならないだろう。


まあ、実際のところ修学旅行で中学生に携帯を持たせたら、旅館でいっせいに
充電を始めるだろうから、コンセントが足りないという事態になりかねない。
やはり持たせないのがいいのだろう。