相撲取りの語学力

先日、サッカー選手の中田が英国のチームに移籍することになり、その記者会見の応答を
すべて英語でやっていたニュースがあった。
なんか、さすが中田だな、という雰囲気の報道だったのだが、スポーツ選手と語学という
のはどういう関係にあるのだろう? 


いわゆる「スポーツ馬鹿」という言葉があるように、運動ばっかりやってる奴は、その
他のことに疎いものだ、という思い込みがある。
ガッツ石松を最右翼とするスポーツ選手たちが、それを成り立たせている。
(あるいは、長嶋茂雄の言動とか)


しかし、本来スポーツでトップクラスの成績をあげている人々は、頭がいいのだ。
なぜなら、脳をスポーツ分野で超人的に働かせているから。
惜しいかな、言語野においてはあまり働いてないようだけれども。


では、外国から来て相撲取りになった人はどうなのだろう。
モンゴル人の朝青龍ブルガリア人の琴欧州グルジア人の黒海たちがインタビューに
応えているのを見ると、かなり流暢な日本語を喋っている。


もとより、相撲取りにそれほど難しいことを質問しているわけではないので、高度な
語学力があるとは断言できないのだが、それでもインタビュアーの日本語にちゃんと
対応するのは素晴らしい。


逆に、我々がモンゴル語ブルガリア語を学習しようとすれば、かなり時間がかかるはずだ。
(あなたは、モンゴル語の日常会話をどのくらいで習得できますか?) 


そう考えると、語学習得には、必然性と本人のやる気が必要条件であることがわかる。
かれこれ3年ぐらい日本にいるジーコが、いまだに一言も日本語を喋らないのは、その
必要もないからだし、本人も全く日本語を覚えようという気がないからだろう。
別にそのことを非難しているわけではないが。


いま、義務教育で英語を勉強させているが、必然性がなくやる気もない中学生たちが
習得できるはずもないのである。
その時間を、日本語の学習に充ててほしい。