今回の天海祐希は演技に説得力があった。
というのも、彼女は宝塚で地獄の訓練を這い上がってトップになった実績が
あるからだ。
創作ダンスを指導している姿は、まさにピッタリである。
(だが、教師というのは超人でなければならんのか、という疑問もある)
いったい、創作ダンスなんて何の役に立つのだろうか?
こういう疑問は
「数学なんて何の役に立つんだよー?」
というバカと同じなのかもしれないが‥‥。
(数学は抽象的な考え方を学ぶのに最適だと思う)
私には、天海祐希が演ずる女教師の目的が見えないのである。
これが、崩壊した学級に現れたのなら分かるのだ。
(たとえば、堂本剛が主役だった「ガッコの先生」というドラマで、ココリコ
田中が受け持っていたような崩壊したクラスとか)
だとしたら、躾のなってないガキをビシッとまとめる「いい教師」に見える
はずだ。
しかし、このドラマのクラスは普通の子がほとんどのように思える。
どんな教師でも、だいたい運営していけるのではなかろうか。
なのに、阿久津先生は、ひたすら抑圧する。
主演の女の子が、楳図かずおのマンガのような顔をするほどに。
何のために?
反抗せず、考えない人間を作るためか。
社会に出たときに負けない人間を作るためか。
彼女の行動からは、まだ全く読めない。
恐らく、これまでの「個性を尊重する教育」に対しての強烈なカウンター
であることは間違いないのだが、躾を学校に丸投げしている親への批判
にはなっていない。
学校の教室という閉鎖された空間で、まさに女王のように君臨する女性の
姿だけが際立っているのだ。
ドラマの最終的な着地点が見えないだけに、今後が楽しみである。