NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」を見ていて、主人公の母親の言葉に

注目した。

生まれは五島列島なので、五島の言葉がネイティブなのだが、大阪で

生活しているときは大阪弁である。そして14年ぶりに戻ってきたら

再び五島の言葉になる。

 

私も松山の出身なので伊予弁を使っていて、東京で生活している

ときは標準語っぽい言葉を操っていた。

これはどの地方出身者もそうだろう。あえて関西の言葉を使い

続ける人もいるだろうが。

 

私に欠落していたのは、地方出身者が大阪で暮らしていたら、

大阪弁になる、という認識だった。

これは東日本の人でも10年以上暮らしていると、そうなるの

だろうか? まあ、外国人も大阪弁が標準の日本語として

インストールされている方が多いので、そうなのか。

 

で、これは大都市ならばどこでも起こる現象なのか、という

疑問もわいてくる。

例えば福岡に来た人は博多弁を喋るようになるのか。

札幌に長年住んでいると北海道弁になるのか、とか。

 

方言を浴びるように暮らしていればそうなるかもしれないが、

メディアの言葉は地方でも標準語が基本である。

例外は大阪のテレビ・ラジオだろう。それで学習するのでは、

という仮説を考えた。

福岡や札幌のテレビでは、方言の割合がかなり低そうな

気がするので、他の地方から来た人はなかなか喋れない

のか、と。

 

 

「ちむどんどん」を見ていると、主人公はずっと琉球ことばの

ままだった。あれはドラマだからそうなのだろう。

逆に本土の人が沖縄に住んでも、そう簡単にウチナーグチ

喋れるようになるとは思えない。

 

結局、地方都市だと、ネイティブの人と他の地方から来た人は

なんとなく標準語っぽい言葉で会話しているような気がする。

というか標準語はそのために生まれたのだから当然か。

 

 

もっと複雑なのは、地方から関西に出て、そこから東京に

行く場合である。

地元の方言と関西弁と標準語を使い分けている人はどのくらい

いるのだろうか。

 

私が注目したのは、アニソン歌手のオーイシマサヨシである。

愛媛県出身で、大学は兵庫県で、いつからかは分からないが

ソロ活動を始めてからは東京だと思う。

彼がメディアで喋っていると、基本は標準語だが、ときどき

関西弁が入る。伊予弁は出ない。

 

この関西弁は、ネイティブの人が聞いたらちょっと違和感が

あると思う。

(別に正しい言葉を使えと言っているわけではない)

なぜオーイシマサヨシが関西弁をときどき使うのかは謎である。