今日の「探偵!ナイトスクープ」に、仙台の人から次のような依頼が
あった。
私は、引き戸を開けっ放しにしていると、親に「それ、ゲロプスンだよ」と
子供のころから叱られていました。
当時は仙台の方言だと思っていたのですが、成長するにつれ、どうやらそん
なことを言うのは我が家だけだと分かりました。
いったい「ゲロプスン」というのはどういう言葉なのでしょうか?
依頼者の父は商用で外国によく行っていたそうだから、get up soon の
ような外国語か、と思ったがそうではなく、依頼者の母の姉に電話で
確かめると「ゲロプスン」ではなく「ゲロクスン」であることが分かった。
そこで言語学者に電話したところ「ゲロクスン」という言葉は山形県の
民謡で使われている、ということが判明した。
そこの民俗資料館によると
上サラサラ 中バッタリ 下六寸
下下の開きっぱなし
という謡があるとのこと。
「ゲロクスン」は下六寸のことであった。
行儀の悪い人は、戸を閉めるときに跳ね返って六寸(約18cm)も
開いてしまう、ということだ。
ここで私は、確か柳家小三治だったか、落語のマクラで、
上そろり 中ぴしゃり 下三寸(げさんずん)
という言葉を聞いたことがあるのを思い出した。
寸法が半分になっているが、昔は江戸でも使っていたのではない
だろうか。
温泉などに入っていると、マナーの悪い人は戸を開けっ放しにして
平気でいる。自動で閉まると思っているのだろうか。
こういうことは子供のうちから躾けておかないといけない。
「ゲロクスン」というのは、いい言葉だと思った。