アニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」を見終えた。
原作のラノベは未読。
家出した少女を自宅に住まわせるという設定は、現実の社会問題と
リンクしているので、作品のリアリティとの整合性が問われた。
私も、登場人物が誰一人、児童相談所に連絡しないのを不思議に
思った。
この、行政に頼らないという考えは、生活保護を糾弾する世相と
一緒で、自己責任論が染み渡っていることを想起させる。
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おそらく作者はそんなに深刻なものだと考えておらず、単に
可愛い女子高生が部屋にいてイチャイチャできたらなぁ、ぐらいに
思っていたし、ほとんどの読者もそうだったのだろう。
ラノベによくある「あのとき助けていただいた○○」です、
みたいな感じで、別の生き物が女子高生に化けてやってきたの
なら、特に問題もなかった気がする。
「86エイティシックス」もそうだが、作者の手に余ることを
書かせるのは、編集者の力量が足りないからだろう。
角川の編集者はアレな人が多いと言われるが、作品がその証明だ。
と同時に、読者の年齢層が上がったので、従来の設定ではリアルさを
感じなくなった、というのもあるだろう。
普通、そういう人はラノベを卒業して一般的な小説に向かうはずだが、
読者が成長していないので、ずっとラノベにとどまり続けているのでは
なかろうか。
ライトノベルにも素晴らしい作品はたくさんあるが、リアルな社会と
リンクさせると限界がある。
そこを突破した作品が生まれることも期待するが、果たしてそれは
ライトノベルと呼べるのだろうか。
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アニメの出来はともかく、主題歌の「おもいでしりとり」は
いい曲だった。
UNISON SQUARE GARDEN の田淵智也は前からいい曲を書くとは
思っていたが、これは他者に提供した楽曲の代表作になるのでは
ないか。ソングライターとしての円熟を感じる。
DIALOGUE+もこれでブレイクしてほしいものだ。