キック・アス

2011年封切りの作品で、友達に勧められたものの今まで見ていなかった。
続編がもうすぐ公開されるので、親切にも夜中に第一作目がテレビ放送
された。ラッキー。


いやぁ、面白かった。
米国のラノベみたいな映画と言えばいいだろうか。


中規模な予算のわりに、脚本はしっかりしていた。
いや、突っ込みどころはたくさんあるんだろうけど、見ているときは
そういうことを感じさせないという意味でしっかりしていた。
バズーカなどの伏線もきっちり処理していたし。


この映画が気に入った人のほとんどは、ヒット・ガール役の女の子が
素晴らしかったと言うだろう。私もそう思った。
あの躊躇ない人殺しっぷりは、表現の自由があるとはいえ、米国で
問題にならなかったのだろうか、と疑うほどだ。



もし、この作品が米国の日常を描いているとしたら、私は米国の狂気を
感じる。
ヤクザがロシアンマフィアと麻薬取引をし、カツアゲや暴行がフツーに
あって、スクールカーストが存在するニューヨーク。
何より、簡単に銃が手に入り、あっさり撃ち殺される。


こんな社会に暮らしていて、どうしてまともに生活できるのか、よく
分からない。


いや、これは映画で、現実の社会は安全だということは知っている。
それでも、あんなに銃があふれる国は異常な気がする。



キック・アス」は娯楽作品だから、ただ笑って見ていればそれでいいと
思う。社会に対するメッセージとか、そういう難しいことを訴えたいわけ
でもないだろう。


じゃあ、この映画の面白さって何だったんだろう、と考えると、勧善懲悪
の気持ちよさなのだろう。
結局、物語の王道で、語り口を少し工夫したということか。
その少しの工夫にセンスがあったからヒットしたのだろう。


それにしても、ニコラス・ケイジはなんでこの作品に出演したんだろうか。