*[本]街場の親子論

内田樹と娘の内田るんの往復書簡を一冊にまとめたものである。


6歳のときに両親が離婚して、父親について神戸に行き、高校を
卒業して進学も就職もしないで、さまざまなアルバイトをして
今に至る娘が親に何を問うのか、という興味があった。


特に恨み言はなかったけれど、親に対して「子育てに失敗しました
よね」と告げているように思えた。本人はそんなことを書いてない
のだけれど。


それに対して内田樹は「ごめんなさい」と謝っている。
これも、子育てに失敗したことに対して謝っているわけではなく、
娘に辛い思い出を作ってしまったことを後悔しているような感じ
だった。


もし離婚していなければ、内田るんはどうなっていたのだろう。
考えてもしょうがないことだが。


ちなみにこの本には母親のことはほとんど書かれていない。
おそらく書くなと言われたのだろう。
しかし、高校を卒業して家を出てからは、母親との時間の
方が長かったのではなかろうか。


その意味で、本書は片手落ちかもしれない。