荒天の武学

荒天の武学 (集英社新書)

荒天の武学 (集英社新書)

内田樹と光岡英稔の対談である。
が、どうも話が噛み合っていない。光岡という人が何を言っているのか、
読んでいてもよく分からないのだ。

光岡


 最近、練習でみんなと一緒に着目していることがあります。それは感情とか
いろんな気持ちを収縮していくことです。


 怒りとか断片的な感情は拡散しやすいのですが、これを自分の中に溜めるの
ではなく、収縮させていく。貯蔵するのではなく、現在進行形で集めていく。
そうするとこれがすごい純度の高いエネルギーになってくる。どの方向に動いて
もそれが作用するようになってきて、いつでも発動できるようになっていく。
まあ、これは韓氏意拳の稽古なのか、私の稽古なのか、よくわからないんですが。


 ここで言う収縮して身体が整うとは、縦の感覚での整いです。人間は前後左右の
感覚に偏って出過ぎたり、引っ込み過ぎたりしがちなんですが、縦には抜けたり
詰まったりはあっても出過ぎたり引っ込み過ぎたりがありません。


内田


 おもしろいなあ。いや、光岡先生が何を言っているのかまったくわからない
んだけれども(笑)。明らかな身体的な実感があった上で言っているというのは、
よくわかります。
(p208)


書き写していても、さっぱり理解できない。
武道をやっていないから、よけいに分からないのだろうけど。


読んでみると、光岡英稔という人はマンガ「バギ」の範馬勇次郎が実体化
したような男なのではなかろうか。
そういう人が実在すると知っただけでもよかった。