暗殺教室

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

モーニング娘。の10期メンバー飯窪春菜さんのブログで、面白かった
ですよ、と書いてあったので買ってみた。確かに面白かった。


謎の生物が月を破壊し、次は地球をぶっ壊すと宣言。
しかし、卒業までに暗殺できるかどうかを条件に、その生物はとある
中学の教師になる。
特徴はマッハ20で動けるスピート。あらゆる兵器を無効化する。
人間には無害だが謎の生物には有効な武器を配り、担任vs生徒の、人類
の存亡を賭けた戦いが始まる。


設定だけ読むと、なんのこっちゃ、と思うかもしれないが、「バクマン
でいうところの、邪道な王道マンガである。



塾講師だったので、中学生が教師をどのように見ているかはだいたい
分かっている。
教師が生徒より優れているかどうか、値踏みをするのである。


もちろん、中学生なので、その判断は視野が狭く適正ではない。
しかし、彼らは教師の能力が自分より上だと認めない限り、絶対に
敬意を抱かない。


勉強をやる気のある子だったら、自分が教える教科で何でも知っている
ことを分からせればいい。これは楽である。


問題は、勉強する気があまりない子である。
彼らにとっては、勉強のできる大人というのは、あまり尊敬の対象に
ならない。
スポーツができるとか楽器が演奏できるとか、面白いトークができる、
というような、芸能人のようなスペックを求めているのである。


なので、中学校の先生はなかなかしんどい。
ところが、このマンガを読んでいくと、明らかに人間ではない先生が、
うっすらと生徒の尊敬を得ている。触手がたくさんあるのに。


なぜかというと、この先生はすごい、と生徒に思わせているからである。
それだけで学びの回路は開かれる、と内田樹は言っている。
ぜひ本人にも読んでいただきたい。



今週の週刊少年チャンピオンで最終回になってしまったが、「ガキ教室」も
面白いマンガだった。

ガキ教室 1 (少年チャンピオン・コミックス)

ガキ教室 1 (少年チャンピオン・コミックス)

元ホストだった教師が、ガキなんか大嫌いだ、と言いながらも活躍して
しまう話である。中盤に迷走する部分があるが、わりとリアルな底辺層の
生活を描写している佳作だと思う。