*[本]ブラバン

ブラバン (新潮文庫)

ブラバン (新潮文庫)

「ヒッキーヒッキーシェイク」にはピンと来なかったが、「ブラバン」は
しみじみと感動した。
私も中学から高校2年まで吹奏楽部にいたが、こんな不良っぽい感じでは
なかった。ちょっとうらやましい。


登場人物が多いので、何度も巻頭のキャラクター一覧を見返した。
作者はよくキャラクターの関係を整理できたものだ。というかそれが
できるのが作家なのか。


この小説で初めて知ったのは、広島弁で「はあ」は「もう」の意味だと
いうことだ。
「もう行ってしまった」を「はあ行ってしまった」と言うらしい。
最初は、なんでこの人たちは気の抜けたため息をつくのだろう、と
思いながら読んでいた。


地方の中堅進学校を卒業した人たちが、中年になったらどういう
人生を歩んでいるのかを描いており、たぶん普遍性のある物語なの
だろう。


自分の人生が惨めなだけに、いっそう心に染みた。