今日、広島高裁で伊方原発の運転差し止めの仮処分が出た。


報道を見ると、どうも阿蘇山の噴火による火砕流の備えが不十分だ、
というのが理由らしい。
1万年に一度ぐらいの巨大噴火では、130kmぐらい離れている四国にも
火砕流がやってきて原発の安全性が損なわれるのだそうだ。


……いや、そんな大災害が発生したら、原発メルトダウンどころでは
ないのではないか。
放射線がどうのこうのというよりも、火山の爆発による被害の方が大変
だと思うのだが。
ほとんどイチャモンに近い。



おそらく最高裁まで持ち込まれて、国に従順な判決が出るか差し戻されて
終わると思うので、広島高裁の判決は徒花のようなものだが、インパクトは
大きかった。
この判決を出した裁判長は、僻地に飛ばされるだろうが、その勇気に
感動した。


私は原発に反対ではあるが、即時全廃は無理だと思っている。
40年ルールをきちんと守って廃炉にしていけば、新設はできないだろうから、
時期がくれば原発はなくなっているはずである。


今でもほとんどの原発は稼働しておらず、ベースロード電源というのは嘘で
あることが分かる。あれは電力会社の収益のために言っているだけだ。
人口も減るので、電力の需要も右肩上がりにはなるまい。


副産物のプルトニウムも、核開発のために持っておいた方がいいという意見も
あるようだが、米国の許可なしにそんなことはできないから、持っていても
無駄であろう。



いっそ、国が「廃炉公社」みたいな組織を作って、人材とノウハウを蓄積すべき
ではないか。そしてそのノウハウで世界の原発廃炉ビジネスを請け負うので
ある。


おそらく世界中の多くの原発はそのうち行き詰まるだろうから、これはなかなか
将来性のある話だと思うのだが。