ガールズ&パンツァー劇場版

面白かった凄かった! これは戦車の満漢全席や! 
がっつり120分の長尺にもかかわらず、ダレ場は一切なし。
これを見ずして年を越すこと勿れ。


というわけで、ここからネタバレです。

ヒャッホー! ネタバレだぜー!



映画は優勝記念のエキシビジョンマッチで始まる。
新顔は知波単学園で、むやみに突撃するスタイルは太平洋戦争の日本を
揶揄しているのだろうか。


この最初の部分でたっぷりと大洗町を舞台にした戦車戦が描かれている。
前菜かと思ったらいきなりメインディッシュが出てくる感じだ。
TV版で壊された肴屋本店がもう一度壊されるギャグには映画館が沸いた。
とにかく大洗町の建物がいろいろ砲撃されて壊れるので、聖地巡礼
捗るのではなかろうか。


エキシビジョンマッチが終わったら、今度は学園艦の解体が決まったという
知らせが届く。文科省の役人が今回の悪役である。


大洗女子の廃校を一旦受け入れて、転校手続きをするあいだに、本土にある
学校に寄宿することになる。
ここで風紀委員の3人がやさぐれたり、アリクイさんチームが筋トレに励む
などの笑いを入れつつ、生徒会長が学園艦復活に向けて動く。


その寄宿生活中に見つかるのが、熊のぬいぐるみのボコのテーマパークである。
西住みほのテンションが最も上がる不思議な空間だが、潰れそうなほど寂れて
いる。
ここで、後に戦うことになる島田愛里寿と出会う場面を用意しており、抜かりは
ない。


会長の働きで、大学選抜チームと対戦して勝ったら、廃校を取り消すという
言質を得て、大洗チームは復活する。
相手は戦車30両、大洗は8両。試合は殲滅戦。文科省の役人の悪役っぷりが
光る。


さすがにこれは負けるのでは、というところで、試合開始直前にこれまで
戦ってきた高校のみんなが大洗女子に転校したという体で助けに来てくれる。
劇場版ならではの王道展開だが、ここでグッとこない人はいないだろう。


これで数の上では五分に持ち込んで、高校生オールスターチームの総指揮を
とるのが西住みほだ。
これは勝てると思いきや、大学選抜チームの巧みな試合運びで苦戦する。


中盤で継続高校の見せ場があり、スナフキンのような役割のミカが奏でる
楽器(パンフレットによるとカンテレというそうだ)の響きに驚かされた。


最終決戦の舞台を遊園地に設定したのが、この映画の最も素晴らしいところだ。
いったい誰が戦車をジェットコースターの軌道に乗せようと思うだろうか。
映画「1941」を見ていないと分からないミフネ作戦を決行する展開もしびれた。


最後は西住姉妹と島田愛里寿の対決になり、ほとんどセリフがない演出である。
これが本当に格好良くて、映画を見ているなぁと思った。
転校手続きで実家に帰ったときの西住姉妹のエピソードがこの場面で生きる。


見事に勝利して大団円となるわけだが、世界選手権があるらしいので、続編を
作ろうと思えば作れないこともない終わり方だった。
あるいは大学生編というのも可能ではあるが、これはよほど大ヒットしなければ
難しいだろう。


ミリタリー系がさっぱり分からない私でもこれほど楽しめたのだから、ミリヲタ
感無量なのではなかろうか。


ガルパン劇場版のすごさを、一般の人にも分かってもらいたい。
そう思ってちまちまと感想を書きつけてみた。
しかし、来月にはスターウォーズという大波がやってきて、全てを押し流して
しまうだろう。それが残念でならない。


なお、来場特典のミニ色紙はダージリン&ケイでした。
松山はオタクの絶対数が少ないので余裕でした。