メカニックデザイナーの仕事論

2010年の8月に愛媛県美術館で大河原邦男展があって、本人も松山に来てトークショー
してくれた。
私もそれを見に行って、ちょっと食い足りないところがあったのだが、本書はそれを補完
してくれた。


日本の中年男性の多くは、大河原メカが魂に刻み込まれていると思うので、本書の図版を
見るだけでも楽しいと思う。
ビジネス書としてはあまり参考にならないと思うが……



それにしても、なぜ日本のロボットアニメは、合体・変形するのだろう? 


それは、玩具メーカーがそういうおもちゃを売りたかったからだ。


では、なぜ玩具メーカーは合体や変形にこだわったのだろうか。
これは“鶏が先か卵が先か”という話になるが、当時の子供たちが合体・変形ロボを
欲しがったのか、メーカーがそういう欲望を刺激したのか、よく分からない。


ともかく、日本人はそういうのが大好きだということは事実だろう。
いや、米国人だって日本と業務提携してトランスフォーマーを作ったぐらいだから、
変形するものが好きなのは万国共通なのかもしれない。



あるものからロボットに変形することは、物質に生命を与えることであり、アニメー
ションと本質的には同じである。


なので、オタク心を持った少年は、どこの国でも同じように変形するものが好きに
なるのだろう。


では、合体はどうなのか。
これは外国人にはあまり理解されない分野なのかもしれない。
合体ロボが出てくる作品は、どの国で受け入れられているのか調べたら、面白い
結果が出るかも。