バッタを倒しにアフリカへ

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

カバーでバッタの格好をして虫取り網をかまえている著者を見て、なんじゃこりゃと
思って購入した。意外と面白かった。
いや、意外とというのは失礼かもしれないな。かなり面白かった。


この本は、ファーブルに憧れて昆虫学者になろうとする若者が、研究職を得るために
画期的な論文をしたためようと、バッタの被害に苦しむモーリタニアに赴き研究する
生活を描いたものである。


昆虫の専門的な話も書いているのだが、それ以前のアフリカ人との生活や砂漠の環境
などが興味深く、またユーモアあふれる筆致で描かれているので、あっという間に
読み終えることができた。


中高生の読書感想文にぴったりではあるまいか。



ときに蝗害とも呼ばれるサバクトビバッタの被害は、日本では想像もできない
のだが、アフリカでは広さに対して人数が少なすぎて監視体制がうまくいって
いないようだ。


お金さえあれば人工衛星から監視して、いつどこにバッタが出現するのかが
分かるのではないかと思うのだが、本書で言及してないので、実現不可能
なのだろう。


それから、古代エジプト時代から蝗害が発生しているのだから、昔の文献に
現在でもヒントになるようなことが書かれているかもしれない。
これは理系ではなく文系の学者が協力してあげたらよろしいのでは、とも
思うが、どうなのだろうか。